Diemの次なる目標とは?
DiemがSilvergateに売却
Meta(旧Facebook)は、先日、暗号通貨プロジェクトDiemを銀行持株会社のSilvergate Capitalに売却しました。
私たちPontem Networkは、Moveプログラミング言語と、オープンな金融エコシステムという広範なビジョンを、今でも強く信じています。私たちは、Diemが開拓したMove技術を他のDeFiと統合し、将来のグローバルで包括的な金融システムを育成するために、基盤となるインフラを構築するために今も懸命に取り組んでいます。それでは、最近のDiemのアップデートを紹介しましょう。
多くの人がDiemプロジェクトをMetaだけのものと思っていましたが、実はDiem Associationによって運営されていました。このコンソーシアムには、Metaのほか、UberやShopifyといった大手テクノロジー企業、a16zのような有力なベンチャーキャピタルが参加していました。彼らは、世界のアンバンク人口(銀行口座やその他の金融ツールを利用できない人々)に対する問題解決に重点を置いて取り組んでいたという経緯があります。
Diem Associationは、グローバル通貨のバスケットによって価値を担保されたボーダレスな暗号通貨として、当初Libraとして知られていたステーブルコインDiemを構築していました。しかし、米国などにおける規制の懸念から、Diemは方向転換することになり、Diemに関連する資産をSilvergateに、2億ドル近くで売却することとなったのです。
Diemの売却は、主に米国における規制の懸念によって行われました。DiemのCEOはこのことについて「連邦規制当局との対話で、このプロジェクトを進めることができないことが明らかになった。その結果、Diemの資産を売却することが最良の道となった。」 と記しています。この声明の中では「規制当局が、Diemは米国政府が見た中で最もよく設計されたステーブルコインプロジェクトだと(彼らに)伝えた。」と述べたとされており、肯定的なトーンも持ち合わせていたことが示唆されています。
また、大統領府の金融市場に関するワーキンググループが発行した「ステーブルコインに関する報告書」は、ステーブルコインの発行、不正使用、リスクに関するDiemの設計面を継続して検証していると付け加えられました。声明は、Diem Associationがその活動を終了する一方で、Silvergateは 「ブロックチェーン技術を使ってより優れた包括的な決済システムを設計する」という当初のビジョンに沿ってプロジェクトを継続する構えであることも示されています。
Silvergate Capitalについて
Silvergateはこのような意見に賛同し、今回の売却がDiemにとって新たな出発点となることを強調しています。また、ここでは、Diemのインフラやツール、ソフトウェアを買収したことが説明されています。SilvergateのCEOは、国際商取引や送金のための規制に遵守したスケーラブルなドル担保のステーブルコインを作るというミッションの一環として、2022年のローンチを目指していることを明らかにしました。
CNBCのジム・クレイマー氏とのインタビューにおいて、SilvergateがDiemを利用してステーブルコインの有用性を拡大させること、Diemのインフラを設計したエンジニアリングチームの質の高さを強調しています。「ブロックチェーン技術を決済や送金に利用することを考えると、潜在的な価値は桁外れだと考えている」とも語られました。
Silvergateはすでに、暗号領域における最高の金融プレーヤーとしての地位を確立しており、「暗号通貨界の御用達銀行」とさえ呼ばれています。スタートアップ企業や小規模なプロジェクトは、重要な投資家、資本提供者として、何年も彼らを求めてきました。また、Silvergate Exchange Network(SEN)を通じて、デジタル決済のリーダーとしての地位も確立しています。平日の営業時間内にしか支払いを処理しない他の銀行とは異なり、SENによってSilvergateの顧客は24時間365日、暗号通貨を使った送金を行うことができるのです。SENはソフトウェアを通じて、CoinbaseやGemini、Paxos、Circle、Binanceといった多くの主要取引所での決済をサポートしています。
Silvergateは、Diemを前述のSENと統合し、「既存のソリューションよりも高速で使いやすく、費用対効果の高い次世代グローバル決済システム」をローンチする予定であると述べています。これは、Diemに明るい未来があることを示唆しています。Silvergateが既存のDiemプラットフォームを利用して、世界トップクラスのドル担保型ステーブルコインをどのように生み出すか、非常に楽しみです。
その他のDiemニュース
そして、Diem界隈で盛り上がったニュースはこれだけではありません。Diemの売却とほぼ同時に、MetaはCrypto Open Patent Alliance(COPA)に参加することを発表しました。Squareが設立したこのグループは、暗号技術の特許制限を撤廃し、共同イノベーションを促進することを目的としています。メンバーは自分の特許をオープンソースとして共有できるようにしていきます。Metaの参加は、彼らが暗号に「継続的な野心」を持っていることを示唆しており、彼らが何を構築するかをが大きな関心事となっています。
また、Meta で Diem と Noviを開発していたエンジニアも、当時の仕事をベースとして、多くのプロジェクトをローンチしています。Mysten Labsは、Facebookの金融商品部門Noviの元研究開発ディレクターEvan Chengと、他の3人の元同僚が率いています。Mystenは、Move言語をベースに、スケーラブルなWeb3インフラを開発しています。Mystenのコアとなる技術革新は、トランザクション処理方式であるNarwhalとコンセンサスプロトコルであるTuskで、これらを組み合わせると毎秒16万件のトランザクションを実現することができます。
元Diemのクリエイターによるもう一つの新しいプロジェクトはAptosです。彼らはDiemが去った場所をピックアップし、同じくMoveをベースとした新しいレイヤー1ブロックチェーンを設計しています。このプロジェクトはDiemと同様の野心を持ち、「絶対的な安全性、拡張可能なスケーラビリティ、信頼できる中立性」を強調しています。このように、完全に分散化され、ハッキングやエクスプロイトから安全で、真にスケーラブルな新しいチェーンを作ることで、ブロックチェーンのトリレンマを解決しようとしているのです。
さらに、Chainlink Labsは、Diemの共同開発者である Christian Cattaliniを技術顧問として採用しました。新しい役割として、Cattalini氏は「ブロックチェーン間のメッセージング、データ、トークンの移動」の構築に注力していく予定です。これは、既存のDiemの技術に新しいユースケースを導入する可能性があります。
Pontem Networkについて
Pontem Networkは、Metaが創設したパーミッションブロックチェーンDiemに最適化された実験プラットフォームです。Pontemが提供するインセンティブ付きテストネット、Move VMスマートコントラクトプラットフォーム、ローコード開発ツールPontem Blocksにより、Diemを利用したメタバース向けプロジェクトを設計しようとしている開発者に、最適な開発環境を提供します。
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